Nature ハイライト 脳:攻撃行動と交尾行動はリンクしている? 2011年2月10日 Nature 470, 7333 視床下部の一部領域は攻撃行動に重要なことが知られている。しかし、それ以上のことは、最近まで解明できなかった。多種類の細胞が混在している中で特定の細胞種だけを刺激することが困難だったからである。今回D Andersonたちは、光遺伝学の手法を使ってこの特異的刺激という問題を解決し、視床下部腹内側野の一部の領域内のニューロンを光遺伝学的に刺激すると、不適切な攻撃行動が起こることがあるが、電気刺激では同様なことが起こらないことを見いだした。さらに遺伝学的および電気生理学的解析を行い、攻撃と交尾にかかわるニューロン集団が重なって分布していることも明らかにした。攻撃行動中に活動するニューロンは交尾中には抑制されており、これら2つの行動は競合している可能性がある。 2011年2月10日号の Nature ハイライト がん:前立腺がんに見られる遺伝的変異 脳:攻撃行動と交尾行動はリンクしている? 構造生物学:多サブユニット複合体の解明を進める 宇宙:初期の銀河団のようす 化学:多角化する不斉触媒 気候:南極の気候への影響の変化 系統分類:無腸類は単純な生き方を選んだ 発生:発生中の網膜に指示を出す分子 目次へ戻る