Nature ハイライト

宇宙:重力レンズ効果が歪曲する暗黒時代以後の宇宙

Nature 469, 7329

宇宙が暗黒時代から脱し中性水素が再電離しつつあった時期に生じた星形成活動の物差しとなるのは、赤方偏移がz > ∼7の高赤方偏移銀河候補の計数である。しかし、こうした遠方の天体と我々の間にある銀河によって生じる重力レンズ効果が、問題を複雑にしている。新しい理論モデル研究によると、観測機器の限界等級が銀河サンプルの典型的な等級よりも明るいと予想されるz > ∼12の銀河で観測される特徴の大部分を、重力レンズ効果が決めているようだ。この因子は、計数を1桁変えてしまう可能性がある。そのため、今後の観測では、高赤方偏移銀河には、重力レンズ効果による相当度の偏りがあることを考慮する必要がある。

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