Nature ハイライト

構造生物学:β2アドレナリン受容体の構造

Nature 469, 7329

いくつかのアゴニスト(作動薬)と結合したヒトβ2アドレナリン受容体(β2AR)のX線結晶構造について、B Kobilkaたちが2つの論文で、C Tateたちがもう1つの論文で報告している。β2ARは、細胞外部にある分子を検知して細胞内のシグナル伝達経路を活性化する膜貫通型のGタンパク質共役型受容体(GPCR)ファミリーに属している。GPCRはヒトの生理に広範な役割を果たしているので、創薬における最も重要な標的の1つとなっている。今回新たに解明された一連の構造から、アゴニストの結合に伴って起きる微妙な構造変化が示され、細胞膜内外での結合によって受容体の活性化状態がどのようにして安定化されるのかが明らかになった。アンタゴニスト(拮抗薬)が結合した受容体の構造と比べると、アゴニストの結合によってカテコールアミン結合ポケットの収縮が引き起こされることが示されたのだ。また分子動力学シミュレーションからは、Gタンパク質がないと、アゴニストが結合した活性化状態が自発的に不活性様状態に緩和することが示唆されている。

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