Nature ハイライト

医学:プロゲスチンと乳がん

Nature 468, 7320

避妊薬やホルモン補充療法に使用されるプロゲスチンは乳がんと関連付けられている。今回2つの研究チームが、この関連性の基盤となる機序をそれぞれ別に明らかにしている。Schramekたちはマウスモデルを用いて、合成プロゲスチンが破骨細胞分化因子RANKLを誘導して乳腺腫瘍形成を促進できることを明らかにした。RANKLは、その受容体であるRANKを介して乳腺上皮細胞に作用する。またGonzalez-Suarezたちは、ホルモン誘導型およびほかの型のマウス乳腺腫瘍モデルでRANKLを阻害すると、腫瘍形成が抑制されることを見いだし、これが新規の治療法になる可能性を示唆している。RANKL阻害剤の1つであるデノスマブは、閉経後の骨粗鬆症での骨密度低下や転移性骨疾患での骨関連症状に対する治療薬として、臨床試験が進行中である。

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