Nature ハイライト

生理:ビデオに撮られた歩くミオシンV

Nature 468, 7320

ミオシンファミリーのモータータンパク質は、真核細胞で多くの重要な役割を果たしており、アクチンを使う運動の中心となる。ミオシンの作用機構の解明は、生体分子の構造と動態を同時に観察できる技術がなかったことが障害となっていたが、古寺哲幸(金沢大学)たちは今回、高速原子間力顕微鏡(HS-AFM)を用いて、アクチンフィラメント上を動くミオシンVを前例のない高い時間分解能で直接観察した。これにより、ミオシン運動のレバーアーム首振りモデルを裏付ける物的証拠となる高分解能動画が得られた。HS-AFMによって可能となった高分解能画像化は、構造生物学と1分子生物学の分野で広く応用できる技術となるだろう。

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