Nature ハイライト

宇宙:超新星SN 1987Aのもたらす新たな知見

Nature 474, 7352

SAINTS(SN 1987A Intensive Study)チームはハッブル宇宙望遠鏡を使って、地球近傍の超新星SN 1987Aの観測を17年間続けてきた。その甲斐あって今回、超新星の一生のうちで、これまで全く観測されたことがなかった段階に関する知見が得られた。それは、放出物と周辺媒質との相互作用から放射エネルギーが生じる段階である。このエネルギー源は、衝撃波加熱に起因する初期の閃光と、それに続く放射性元素の壊変が主なエネルギー源であった数十年間の後を受け継ぐものだ。ハッブル望遠鏡のデータから、2001年以降のSN 1987Aの輝度増加は、放出物質が周辺物質と相互作用する際に発生するX線による加熱の結果であることが示唆される。

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