Nature ハイライト

構造生物学:ステロイドホルモンの認識

Nature 474, 7352

ブラシノリドは、植物の成長や発生の中心となる強力なステロイドホルモンで、細胞膜にある受容体のBRI1へ結合する。BRI1はロイシンリッチリピート(LRR)受容体ファミリーに属しており、このファミリーには哺乳類の自然免疫に重要なToll様受容体も含まれている。今回、別々に行われた2つの研究により、シロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)由来BRI1の遊離型およびブラシノリドとの複合体の両方について、結晶構造が示された。BRI1は、25個のLRRを含むソレノイド様のスーパーヘリックス構造をとっていることがわかった。この構造はToll様受容体とは顕著に異なっており、ステロイド認識の新規な機構を明らかにしている。この結果から、農業で有用となる可能性のあるBRI1の非ステロイド性模倣薬の合成ルートが考えられる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度