Nature ハイライト

医学:衝動性につながる遺伝子

Nature 468, 7327

先の結果を考えないで起こされる衝動的行動は、いくつかの精神疾患の特徴となっており、その一部は中程度の遺伝性を示すことが明らかにされている。この遺伝性をもたらす遺伝子特性を探るために、重度の衝動性を示すフィンランド人の刑事犯で、セロトニンおよびドーパミンに関連する14個の遺伝子についてエキソンの塩基配列解析が行われ、遺伝子HTR2Bの終止コドンに起こった1つの変異との関連が明らかになった。この遺伝子は、5HT2Bセロトニン受容体をコードする遺伝子だが、行動への影響はこれまで知られていなかった。このセロトニン受容体が衝動性に関与していることは、ノックアウトマウスの表現型からも裏付けられている。

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