Nature ハイライト

地球:地下でこっそり生じていた超塑性

Nature 468, 7327

超塑性は、多結晶体物質がその通常の破壊点を超えて塑性変形する特異な性質であり、金属だけでなくセラミックス材料でもみられることがわかっている。超塑性的振る舞いは、地球の下部マントルなどの地質学的物質の一部でも生じていると考えられているが、地球物質について実験室内で実証されたことはこれまでなかった。平賀岳彦(東京大学)たちは、成分がマントルによく似た合成鉱物が、最大500パーセント伸張変形する超塑性を示すことを報告している。マントルの超塑性変形は細粒の鉱石粒子が粗粒の粒子集合体に変わる著しい粒子成長を伴い、その結果マントルの粘性が増加して、最終的に超塑性変形が終わることが、彼らの計算によって示された。

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