Nature ハイライト

計測:古典的限界を超える量子測定

Nature 464, 7292

粒子の波動性を利用した原子干渉計は、重力定数の決定から時間標準の定義まで、さまざまな超高精度測定に使用されている。干渉計の精度は、一般に古典統計によって制限されるが、これは実験に用いられる原子の数が有限であることに起因する。今週号の2つの論文では、ボース・アインシュタイン凝縮体(BEC)における「スピンスクイージング」によって、古典統計よりも精密な測定が実現する可能性が実証されている。Grossたちは、干渉計への入力として特別に作られたBECを使って、古典的な精度限界を打ち破っている。2つ目の研究でRiedelたちは、状態依存ポテンシャルとの弾性衝突相互作用を制御することによって、「原子チップ」に閉じ込められたBECで同様の「スピンスクイーズド」状態を作り出している。このチップ上での多粒子量子もつれの実証によって、やはり古典的精度限界を超えるチップベースの携帯原子時計が実現する見込みが出てきた。

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