Nature ハイライト

化石:デザートは翼竜

Nature 430, 6995

バリオニクスやスピノサウルスなどを含むスピノサウルス類は大型肉食恐竜で、魚を常食にしていたと考えられている。だが今週号のBrief Communicationsに寄せられたE Buffetautたちの報告によると、スピノサウルス類のうち少なくとも1種は、翼竜も好物だったようだ。翼竜化石の脊柱の椎骨の1つに、スピノサウルス類恐竜の歯が食い込んでいるのである。この翼竜化石は、ブラジルにある白亜紀前期のサンタナ累層(翼竜の化石が見つかることで有名)で産出したもので、大型の翼竜であるオルニトケイルス類とみられ、翼を広げたときの幅は3 mを超える。このサンタナ累層ではスピノサウルス類の一種Irritator challengeriが産出しており、椎骨に突き刺さった問題の歯は以前サンタナで見つかったこの歯に極めてよく似ている。今回のものは動物の行動が化石に残された希有な例であり、恐竜の歯の破片を伴って出土した翼竜の骨としては2例目となる。

2004年7月1日号の Nature ハイライト

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