Nature ハイライト

宇宙:高赤方偏移を示すバースト

Nature 461, 7268

2つの研究チームが、γ線バーストGRB 090423の赤方偏移を決定し、その他のスペクトルデータと共に報告している。これによってGRB 090423は、既知の天体中で最も古く、また最も遠方にあるものということになった。Salvaterraたちは2009年4月23日に、スイフト衛星によりバーストを最初に検出し、バーストの14時間後にラ・パルマ島にある国立ガリレオ望遠鏡を使って、赤方偏移をz ≈ 8.1と決定したことを報告している。Tanvirたちは、ハワイにある英国赤外望遠鏡を使って、バーストの20分後に赤方偏移をz ≈ 8.2とした。これまでに知られているあらゆる天体についての赤方偏移の中で最も高い値は、ライマンα輝線銀河のz = 6.96である。今回の測定結果は、ビッグバン後6億年という早い時期に大質量星が生成されγ線バーストとして消滅したことや、こうした大質量星の性質が、100億年後にγ線バーストを発生させている星と非常によく似ていることを示唆している。

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