Nature ハイライト

細胞:幹細胞の開放型クロマチン

Nature 460, 7257

扁形動物から哺乳類まで、多くの幹細胞のクロマチンには凝縮した領域、つまりヘテロクロマチンがほとんどなく、そのため転写調節因子が近づきやすい開放状態になっている。今回、マウス胚細胞でRNA干渉による新規調節因子のスクリーニングが行われ、クロマチンリモデリング因子Chd1が胚細胞の開放型クロマチンや多能性の維持、および体細胞の多能性状態への再プログラム化に不可欠であることが示された。これは、開放型クロマチンと多能性との間の因果関係を直接示す証拠である。Chd1は生殖系列幹細胞と成体幹細胞の両方で高度に発現していることから、幹細胞にみられる開放型クロマチンと分化能の関連性が一般的な現象である可能性が出てきた。

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