Nature ハイライト ナノテクノロジー:DNAでナノチューブを選別する 2009年7月9日 Nature 460, 7252 これまでに開発されたカーボンナノチューブの製造法では、金属ナノチューブと半導体ナノチューブの混合物ができるうえに、さまざまな直径やキラリティーのナノチューブが混ざってしまう。例えば、エレクトロニクス分野でナノチューブを実用化するには、単一種に精製可能で、それにより特性を正しく決定できることが重要である。こうした混合物の分離は非常に困難だが、米国デュポン中央研究所とリーハイ大学のチームは今回、DNAを使って期待のできる結果を得た。彼らは、1個のプリン塩基とそれに続く1個以上のピリミジン塩基という配列が繰り返される、特別に作製したDNA塩基配列によって、混合物中のどの種のナノチューブも精製できることを見いだした。また、これらのDNA塩基配列がナノチューブの周りに巻きつくと、特に安定な三次元バレル構造を形成することも理論的に示している。優れた選択性は、ここから生じるのかもしれない。 2009年7月9日号の Nature ハイライト 宇宙:銀河とブラックホール 進化:次の環境変化に備える微生物 医学:失明の初期サイン 免疫:B細胞で後から起こるDNA切断 宇宙:z > 2の2つの超新星 量子情報科学:量子コンピュータへの着実な進歩 ナノテクノロジー:DNAでナノチューブを選別する 医学:脂肪細胞と造血能の関係 目次へ戻る