Nature ハイライト

遺伝:1人の人間のゲノム

Nature 452, 7189

次世代の塩基配列決定技術によってヒトゲノミクスは大きく変わりつつあり、ゲノム概要配列が安価かつ迅速に得られるようになると期待されている。今回、このような技術の1つを使って、1人の人間の遺伝コードの大半が解析された。それは、「二重らせん」の発見者の1人、James D Watsonのゲノムである。この方法ではゲノムDNAのクローン化は行われず、最新の「454」高速塩基配列決定装置が使われ、解読の費用は100万ドル足らずで、しかもわずか2カ月しかかかっていない。これに対して、ヒトゲノム解読で注目を集めたCraig Venterのゲノム解読は従来の方法によるもので、その費用は約1億ドルと報じられている。ゲノム解読はこれでもまだ大事業には違いないが、「個人のゲノム」「個別化医療」というゴールに向け、また一歩前進したといえるだろう。

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