Nature ハイライト

宇宙:ダークエネルギーのしっぽをつかむ

Nature 451, 7178

遠方の超新星の観測から、宇宙の膨張が加速している段階にあることはいえるが、その物理的原因は依然として謎である。広く認められている説明では、宇宙全体に分布し重力的な反発力で宇宙を膨張させる、莫大な量の見えない「ダークエネルギー」が必要となる。多数の暗い銀河が示す赤方偏移の歪みを新たに調べた結果から、加速を引き起こすダークエネルギーの性質に関する手掛かりが得られた。赤方偏移z = 0.8での歪みは、宇宙は物質密度が小さく幾何学的に平坦だとする標準的な宇宙定数モデルと一致する。現状の誤差は大きすぎるので、加速膨張の他の候補原因との区別はできないが、現在のものよりさらに強力で遠方まで見通せる次世代の銀河探査で、ダークエネルギーの性質がさらに絞り込まれそうだ。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度