Nature ハイライト 宇宙:最も遠く最も重いブラックホール 2007年10月18日 Nature 449, 7164 遠方の天体の重さ、もっと正確な言い方をすれば「質量」を求めるのは重要な問題だ。なぜなら天体の質量は、そのふるまいを決めるのに大きな役割を果たすからである。ブラックホールは特に興味深い対象だが、その質量を求めるのは容易ではない。ブラックホールの重さを求める普通の方法は、近くの天体を引っ張る重力の測定である。今回、我々の近傍にある銀河メシエ33中で最近発見された連星系M33 X-7のブラックホールで、この方法が成功した。これは、太陽の質量の15.7倍という、知られている中で最も質量が大きな恒星質量ブラックホールである。その伴星は太陽質量の約70倍で、最も大質量の恒星の1つであり、M33 X-7は、恒星ブラックホールとしてはこれまで確認されたものより16倍も遠くにある。 2007年10月18日号の Nature ハイライト 工学:太陽光で発電するナノワイヤー 宇宙:最も遠く最も重いブラックホール 遺伝:向上を続けるHapMap 進化:敵を知り己を知る 細胞:ピロリ菌の標的はインテグリン 考古:海辺の生活の始まり 物理:超伝導の島から島へ 気候:深海からの二酸化炭素放出 細胞:抗ウイルス作用をもつmiRNA 目次へ戻る