Nature ハイライト 細胞:ピロリ菌の標的はインテグリン 2007年10月18日 Nature 449, 7164 インテグリンは、さまざまなシグナル伝達過程に関与する細胞接着受容体の重要なファミリーであり、多くの細菌性およびウイルス性病原体が付着または侵襲する際の標的となる。今回、インテグリンの1つが、胃の病原体であるピロリ菌(Helicobacter pylori)の受容体であることが明らかにされた。ピロリ菌のCagL線毛タンパク質は、宿主の細胞表面受容体インテグリンα5β1と結合し、これが癌タンパク質CagA(毒素関連タンパク質A)の宿主細胞への注入を引き起こす。今回の研究は、CagLが、一部のピロリ菌株によって引き起こされる胃疾患の治療での薬物標的となる可能性を示している。 2007年10月18日号の Nature ハイライト 工学:太陽光で発電するナノワイヤー 宇宙:最も遠く最も重いブラックホール 遺伝:向上を続けるHapMap 進化:敵を知り己を知る 細胞:ピロリ菌の標的はインテグリン 考古:海辺の生活の始まり 物理:超伝導の島から島へ 気候:深海からの二酸化炭素放出 細胞:抗ウイルス作用をもつmiRNA 目次へ戻る