Nature ハイライト

神経:強迫性障害のマウスモデル

Nature 448, 7156

強迫性障害の基盤となる神経生理学的性質はほとんど解明されていないが、皮質線状体回路の異常が疑われている。マウスモデルは、多くの病気で発症機序の解明や治療薬の検証に使われている。今回、予想に反して、強迫性障害でもマウスモデルが使えるようになった。線状体で高度に発現されているシナプス後骨格タンパク質SAPAP3を選択的に欠失させると、マウスは強迫性障害のさまざまな行動特性を示すようになる。このマウスはひっきりなしに毛づくろいをし、不安な様子を示し、皮質線状体の生理機能に異常がみられるのだ。このような行動徴候は、選択的セロトニン再取り込み阻害剤という、強迫性障害の治療に用いられる薬剤によって軽減される。

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