Nature ハイライト
Cover Story:機能形質の予測:熱帯林の林冠の機能的多様性を予測する
Nature 641, 8061
表紙は、ブラジルの熱帯林の林冠の景観を捉えたものである。熱帯林の林冠は、炭素・水・エネルギーの観点から大気との主要な界面となっているが、その機能形質の分布と多様性についてはほとんど知られていない。今週号ではJ Aguirre-Gutiérrezたちが、1800を超える植生プロットおよび樹木形質の野外データを人工衛星リモートセンシングなどと組み合わせて、複数の機能形質を予測できるモデルを構築し、この課題に取り組んでいる。彼らは、得られたモデルを用いて、熱帯林全域の機能的多様性を予測する地図を作成することで、地域間の差異を浮き彫りにした。また、アメリカ大陸の熱帯林はアフリカ・アジア大陸の熱帯林よりも機能的豊かさが高い一方で、機能的多様性が最も大きいのはアフリカの森林であることも見いだしている。
2025年5月1日号の Nature ハイライト
物性物理学:二次元MnBi2Te4に見つかったアクシオン類似準粒子
物性物理学:トポロジカル反強磁性体に見つかった新たな量子異常ホール効果
強誘電体:ウルツ鉱型強誘電体における電界誘起ドメイン壁の解明
応用光学:中赤外周波数コムとして使える完全集積型半導体レーザーチップ
電子工学:高速グラフェン系フラッシュメモリー
有機金属化学:芳香族メタロアヌレンの合成
有機化学:芳香族化合物とアルコールまたはカルボン酸の直接カップリング
地球物理学:リソスフェア運動と海嶺拡大に対する氷河強制の影響
人類の移動:地中海の離島に渡っていた中石器時代の狩猟採集民
古代DNA:「緑のサハラ」に牧畜をもたらした文化伝播
神経回路:マウスの行動を切り替える脳内の交換機
植物科学:イネによるウイルス感染の感知と防御開始の分子機構
微生物学:ヒト腸内細菌における薬剤耐性の分子進化機構
免疫学:抗原クロスプレゼンテーションを増強する新規分子の開発
がん:グリオブラストーマは多様な神経回路に速やかに組み込まれる
構造生物学:複製ヘリカーゼがDNA二本鎖を巻き戻して複製フォークを作る
構造生物学:ミトコンドリアのピルビン酸輸送体の構造と機能