Nature ハイライト

宇宙:太陽系のちっぽけな天体たち

Nature 442, 7103

さそり座X-1(Sco X1)は、太陽を除けば最初に検出された宇宙X線源であったため、宇宙物理学の歴史で重要な位置を占めている。今週号では、この天体がまた話題になっている。ロッシ・X線タイミング・エクスプローラ衛星で得られたこの天体のX線光度曲線に、小さいがはっきりしたくぼみが見つかり、これが直径100メートルより小さな海王星以遠天体(TNO)の初めての観測にあたる可能性がでてきた。この光度曲線の異常はミリ秒スケールで生じているので、複数の非常に小さなTNOによる星食が原因であることがほぼ確実である。1992年に初めてカイパーベルト天体が発見されて以来、1000個近いTNOが発見されている。これまで確認されているのは、直径が数百から数千キロメートルのものだが、もっと小さいものもたくさんあると予想されている。

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