Nature ハイライト

Cover Story:胚のモデル:受精後2週目のヒト胚を模倣した構造が幹細胞から作られた

Nature 622, 7983

新たに形成された胚が子宮に着床した最初期のヒトの発生の理解には、初期のヒト胎児の研究によって示された物理的課題や倫理的課題が主な理由で、大きな欠落がある。今週号の一連の論文では、この問題への取り組みに役立つ可能性がある方法が調べられている。J Hannaたち、B Sozenたち、M Zernicka-Goetzたちの3報の論文は、子宮に着床した後のヒト胚の発生を模倣する構造を提示している。表紙に描かれているのは、Hannaたちによって得られた、着床間もない時期の胚の完全なモデルである。組織形態と支持細胞の構成や、3つのモデルのそれぞれには違いがあるが、それら全てが培養された幹細胞だけを用いて作られている。すなわち、こうした胚の生成には卵子や精子は使われていない。関連するNews & ViewsとCommentでは、研究の可能性と、今回の成果の課題や倫理的配慮について検討されている。

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