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ヒトの発生:多能性幹細胞由来の着床後ヒト胚モデル
Nature 622, 7983 doi: 10.1038/s41586-023-06368-y
ヒトの胚は、子宮への着床後に形態的な変化を起こすが、胚をin vivoで観察できないために、この重要な段階に関する理解は限定的である。幹細胞から作製した胚のモデルは、この段階で起こる発生事象や組織間クロストークを調べるための重要なツールである。今回我々は、胚性組織と胚体外組織からなる着床後のヒト胚、すなわちヒト胚様体のモデルを樹立した。我々は、転写因子の過剰発現によって作り出した2タイプの胚体外様細胞を野生型の胚性幹細胞と組み合わせて、自己組織化を促進し、着床後のヒト胚の複数の特徴を模倣した構造を得た。これらの自己組織化した凝集体には、胚体外様組織に囲まれた多能性胚盤葉上層様領域が含まれる。我々が行った機能解析で、胚盤葉上層様領域は、骨形成タンパク質の合図に応答して、羊膜、胚体外間葉および始原生殖細胞様細胞へロバストに分化することが実証された。さらに、SOX17が前方胚盤葉下層様細胞の指定に抑制的役割を担っていることが分かった。胚盤葉下層様区画内の亜集団を調節したところ、胚体外様細胞が胚盤葉上層様領域の分化に影響を及ぼすことが実証され、機能的な組織間クロストークがはっきりと示された。以上より、本研究で示したモジュール式で扱いやすく統合されたヒト胚モデルは、多くの妊娠失敗が起こる重要な期間である着床後のヒト発生に関する主要な疑問の検証を可能にするだろう。

