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進化:「生きた化石」が示す最初の被子植物の手がかり

Nature 441, 7091

被子植物はほとんどの場所でみられるが、その起源はほとんどわかっておらず、チャールズ・ダーウィンはこの問題を「いまいましい謎」とよんだ。だが今回、「生きた化石」というべき被子植物種を調べることにより、最初の被子植物は激しい「進化実験」の時代に出現した可能性のあることが明らかにされた。  W Friedmanは、大昔に現れた系統に属する遺存種アンボレラ(Amborella trichopoda)の胚嚢に関する発見を報告している。この植物では、発生に際して生殖装置の雌性部分(胚嚢)にみられる細胞の数が、現存する大半の被子植物の胚嚢でみられる細胞の数と異なっていた。  この思いもよらない違いから、植物の発生の柔軟性が特に高かった大昔に、花を咲かせるという一見コストのかかる方式への進化が許容された状況下で被子植物が出現した可能性が考えられる。

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