Nature ハイライト

生理:振り子走行はだめ?

Nature 439, 7072

人間の足で可能な進み方は無限といってもいいが、そのうちで我々が使うのは歩行と走行である。これは、可能な進み方の中で歩行と走行がエネルギー的に最も効率のよいものだからだろうか。M SrinivasanとA Ruinaはコンピューターモデルを用いて、無限の種類の進み方を単純なニュートン力学の原理に当てはめ、同じ質量を移動させるのに必要とするエネルギー量を計算することによって各種の進み方を評価した。そして、歩行、走行、および両者を複合した「振り子走行」の3つがそれぞれ、3つの速度段階で最適な進み方になることを見いだした。ただし、ヒトは実際には振り子走行をまったく採用しないので、このモデルによる単純化された移動手段の描像では、振り子走行を現実の世界では非実用的なものにしている要因が見落とされている可能性がある。

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