Nature ハイライト

海洋:海と地球温暖化

Nature 439, 7072

暁新世の終わりに当たる5500万年前に起こった地球温暖化は、地球が気候変動に応答するようすを明らかにしてくれる。この時は急激な温度上昇に伴って、海洋と陸上の生物相が大きく変わり、海洋の化学組成や循環状況も変化した。今回、炭素の同位体記録を用いた研究により、深層水が形成される場所の南半球から北半球への切り替えが数千年以内に始まり、少なくとも4万年は同じ状態が続いた可能性が明らかになった。このことは、温室効果状態によって深層循環の変化が引き起こされる可能性を示しており、この変化は短時間で起こり得るが、逆転にはかなり長い時間を要することがわかる。

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