Nature ハイライト

神経科学:海馬場所細胞の視覚選択性

Nature 602, 7897

齧歯類のナビゲーションに関するこれまでの研究では、海馬ニューロンに場所選択性が生じるには、例えば、視覚手掛かりやロコモーション、課題の要求など、いくつかの種類の情報や入力が必要と示唆されてきた。しかし霊長類では、海馬でのそうしたニューロンの符号化において、場所との連合を作るのにロコモーションは必要でない。こうした差異の理解を深めるため、M Mehtaらは今回、体を固定したラットに視覚刺激を与え、海馬細胞が課題要求やロコモーションがない場合にどのように応答するかを調べた。その結果、海馬ニューロンの大半は、視覚刺激に応じて活動の変化を示し、それは刺激の角度特徴に基づいていることが分かった。これは、海馬ニューロンが視覚皮質と同様に、付加的な要求なしでも視覚情報に応答して符号化できることを示唆している。

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