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神経科学:動く棒状の光は、固定したラットの海馬で空間的なベクトル選択性を誘起する
Nature 602, 7897 doi: 10.1038/s41586-022-04404-x
視覚皮質のニューロンは、特定の刺激の位置と運動方向を、ロコモーションや課題の要求なしでも回顧的に符号化する。一方、視覚系の一部をなす海馬は、スカラー的で抽象的かつ展望的な他者中心の空間選択性を生み出すために、自己運動や認知課題を必要とすると仮定されている。今回我々は、これらの見かけの差異を解決するため、動く棒状の光に対する齧歯類海馬の選択性を、体を固定したラットで測定した。その結果、背側のCA1ニューロンの約70%は、行動や報酬とは無関係に、棒状の光の角度位置に応じて安定した活動変調を示すことが分かった。選択性を持つ細胞の3分の1もまた、回転の方向を符号化していた。別の実験では、ニューロンは棒状の光の距離を符号化し、接近してくる動きを優先した。まとめるとこれらの結果は、視覚的に誘起されるベクトル選択性(VEVS)を実証している。場所細胞とは異なり、VEVSは回顧的であった。視覚刺激やその予測可能性における変化は、再マッピングではなく、段階的な変化のみを引き起こした。VEVSに選択性のあるニューロンの大半は、空間探索課題では場所細胞のように振る舞い、これら2つの選択性には相関が見られた。従って、VEVSは海馬活動の基本的構成要素を形成することができた。VEVSは、自己運動や報酬、多感覚刺激と組み合わさると、他者中心的な空間、時間、エピソードを含む展望的表現の複雑さを生み出すことができる。

