Nature ハイライト

材料科学:層間回転したファンデルワールス膜における異方性熱伝導体

Nature 597, 7878

異方性熱伝導体は、断熱と効率的熱伝導を異なる方向に沿って同時に実現するという、方向性のある熱輸送を可能にする。熱流を方向付ける能力は、集積回路においてホットスポットを除去するとともに、熱に敏感な部品を熱源から保護できるため、温度管理技術に不可欠である。今回J Parkたちは、ランダムに層間回転した大面積ファンデルワールス薄膜に基づく極めて異方性の高い熱伝導体を報告している。この熱伝導体では、層間回転によって面に垂直な熱輸送が妨げられる一方で、長距離層内結晶性によって高い面内熱伝導率が維持される。今回の結果は、結晶性層状材料における層間回転を、固体系における工学的に方向付けられた熱輸送の新たな自由度として確立するものである。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度