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構造生物学:ミトコンドリアのSAM複合体はβバレルタンパク質の交換を介して機能する

Nature 590, 7844

ミトコンドリアの外膜には、βバレルタンパク質と呼ばれる膜タンパク質が存在し、細胞質ゾルとミトコンドリア内部との間での物質のやり取りを担っている。βバレルタンパク質の外膜への組み込みは、複数のサブユニットからなるミトコンドリアSAM(sorting and assembly machinery)複合体(別名TOB複合体)によって行われる。今回我々は、クライオ電子顕微鏡を用いて、サブユニット組成の異なる2種類の酵母SAM複合体の構造を、2.8〜3.2 Åの分解能で決定した。二量体型複合体には,部分的にラテラルゲートが開いたβバレル型チャネルタンパク質Sam50を2分子(Sam50aとSam50b)含む。表在性膜タンパク質Sam35とSam37は、細胞質ゾル側からこれらのSam50チャネルにふたをするように結合し、二量体型複合体の構造と機能を保つのに不可欠である。第二の複合体では、Sam50bがβバレルタンパク質Mdm10に置き換わっている。Sam37はSam50aと協力して、細胞質ゾル側からラテラルゲートが閉じたMdm10のβバレル内に入り込むことによって、呼び込まれたMdm10を捕まえている。基質と結合したSAM複合体にはSam50、Sam35、Sam37がそれぞれ1分子ずつ含まれるが、Mdm10も2個目のSam50も含まれないことから、Mdm10とSam50bはSam50aに結合し、出て行くβバレル基質のための場所を確保するプレースホルダーとして機能すると考えられる。ここで示したβバレルサブユニットと基質の動的な交換という機構によって、前駆体タンパク質全体が、ミトコンドリアのβバレル組み立て装置と協力して折りたたまれる仕組みが説明できた。

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