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気候科学:適度に差別化した炭素課税によって得られる強力な気候緩和

Nature 588, 7837

一般に、均一な炭素税は、炭素排出量を削減し気候変動を緩和する効率の良い方法であると認識されている。しかし、均一な課税は、気候変動を生み出した責任が歴史的にほとんどない国々に不当な影響を及ぼす傾向があると思われる。一方、税収を国民所得の関数として積極的に再分配することは、国家主権に対する侵害という問題があると見なされる可能性がある。今回N Bauerたちは、適度に差別化した炭素価格(つまり、気候変動に対する歴史的責任がより大きく豊かな国ほど少しだけ高くなる)によって、公平性や主権に関する大きな懸念を伴わずに、均一な炭素税とほぼ同程度の気候緩和が得られると思われることを示している。

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