Nature ハイライト

幹細胞:新世代のヒト膵島様オルガノイド

Nature 586, 7830

ヒト胚性幹細胞と誘導多能性幹細胞は、移植するとインスリン依存性糖尿病の症状を長期的に緩和する可能性のある膵臓β細胞や膵島オルガノイドの有望な供給源と考えられている。しかし、機能を備えたβ細胞の作製はいまだに難しい。R Evansたちは今回、3Dヒト膵島様オルガノイド(HILO)を作製したことを報告している。HILOは、移植可能な細胞の供給源の増殖可能な代替品となるもので、長期的な血糖コントロールを回復でき、慢性的な免疫抑制を必要としない。HILO作出のためのプロトコルに見られる主要な進歩としては、非カノニカルWntを介する成熟段階とPD-L1発現を誘導するためのIFNγ曝露などがあり、これによってグルコース恒常性を回復する能力を損なうことなく移植片の免疫拒絶が防がれている。

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