Nature ハイライト

量子物理学:チップ上の捕捉イオンを用いた量子コンピューティングへの道

Nature 586, 7830

個々の原子は完璧に同一のキュービットとなり、クーロン相互作用によってキュービットとキュービットを結合させる方法が得られることから、捕捉イオンは量子情報処理向けの有望なプラットフォームである。しかし、イオン制御に自由空間光学系を使う現状の捕捉イオンアーキテクチャーにおけるスケーリングが、多キュービットのレジスターを開発する際の障害の1つになっている。今週号では2報の論文が、極低温表面電極トラップや集積光学系を用いて捕捉イオンの操作と制御を大きく進展させたことを報告している。これにより、ビームを真空系内へ整列させる必要がなくなった。K Mehtaたちは、忠実度が99.3%以上の多イオン量子論理ゲートを実現し、R Niffeneggerたちは、キュービットの作製と検出に必要な紫色光から赤外光の全波長を生成する全集積レーザー光を用いた単一イオン制御を実証している。

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