Nature ハイライト

有機化学:光を用いたアニリン合成

Nature 584, 7819

アニリンは、医薬品などの貴重な化学品の製造に広く応用されている芳香族アミンである。一般的に、アニリンは親芳香族化合物とアミンのカップリングによって合成されるが、そうした方法は、正しい位置化学を有する反応物の合成に長い手順を要することが多いために制限されている。今回D Leonoriたちは、コバルト触媒反応と光触媒反応を用いて、シクロヘキサノンとアミンからアニリンを合成している。その際、中間体であるエナミンが段階的に脱水素化されてアニリン生成物が形成される。この方法は、市販の薬剤の合成や、複雑分子の合成後期段階での官能基化によって実証されたように、従来のクロスカップリング法と比べてはるかに融通が利く。

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