Nature ハイライト

免疫学:ZBP1による内因性Z-DNAの感知がRIPK3依存性のネクロトーシスや炎症を引き起こす

Nature 580, 7803

Z-DNAに結合するタンパク質であるZBP1は、RIPK1およびRIPK3との相互作用を介してアポトーシスを誘導することが報告されている。また、角化細胞でのRIPK1の喪失や、この経路の阻害因子であるカスパーゼ8の喪失は、アポトーシスではなく、ZBP1–RIPK3依存性のネクロトーシスを活性化し、慢性炎症を引き起こすことが示されている。M Pasparakisたちは今回、RIPK1あるいはカスパーゼ8が存在しない場合に、ZBP1の活性化と下流のネクロトーシス細胞死が、内在性レトロウイルスエレメントの再活性化によって増強されるという証拠を示している。この知見から、RIPK1およびCASP8遺伝子に変異がある個体の自己炎症性疾患の発症機序を説明する機構が得られる可能性がある。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度