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免疫学:セリアック病のマウスモデル

Nature 578, 7796

セリアック病の患者は、一般的なパンなど、グルテンが多く含まれている食品を避ける必要がある。
セリアック病の患者は、一般的なパンなど、グルテンが多く含まれている食品を避ける必要がある。 | 拡大する

Credit: David Izquierdo / 500Px Plus / Getty Images

B Jabriたちは今回、グルテンを含む穀物の摂取によって引き起こされるヒトの腸の炎症性疾患であるセリアック病について、その重要な特徴を再現するマウスの遺伝学的モデルについて報告している。セリアック病は複雑な疾患であり、組織型トランスグルタミナーゼ2(TG2)酵素に対する抗体などの自己免疫の構成要素、CD4+ T細胞(その一部は脱アミド化グリアジンペプチドに応答する)、HLA対立遺伝子が関与する。このマウスモデルからは、上皮損傷の誘導に必要な細胞傷害性T細胞の完全活性化のライセンシングにおいて、DQ8依存性グルテン特異的CD4+ T細胞とIL-15が協調的な役割を担っている証拠が得られた。セリアック病は患者での研究が難しく、この複雑な疾患の多くの面を解析可能にする動物モデルの存在は、新たな治療戦略の開発に役立つだろう。

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