Nature ハイライト

加速器物理学:高輝度ミューオンビーム

Nature 578, 7793

基礎物理学の観点では、高輝度ミューオンビームを生成できる能力は魅力的な展望である。ミューオンは電子と同様の基本粒子であり、粒子衝突実験ではビームの全エネルギーが運ばれる。さらに、ミューオンの質量は電子の207倍であるため、現行や計画中の粒子衝突型加速器で到達できるエネルギーをはるかに超える衝突エネルギーが得られると同時に、必要とする施設をずっと小さくできる可能性がある。今回、MICE(Muon Ionization Cooling Experiment;ミューオンイオン化冷却実証実験)コラボレーションによる研究によって、これらの可能性が一気に高まった。MICEコラボレーションは、その名称から予想されるように、高品質で高輝度のミューオンビームを生成・操作する加速器システムの開発において重要な一歩となる、ミューオンのイオン化冷却を達成したのである。

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