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遺伝学:正常肝臓と硬変した肝臓における変異の全体像

Nature 574, 7779

ヒトの肝臓の疾患進行過程。
ヒトの肝臓の疾患進行過程。 | 拡大する

Credit: Science Picture Co / Collection Mix: Subjects / Getty Images Plus

P Campbellたちは今回、5人の健康な人と9人の肝硬変患者を含む14人に由来する、マイクロダイセクション法によって得た100〜500個の肝細胞からなる482個の試料のゲノム塩基配列解読を行った。その結果、硬変した肝臓では、変異負荷が高く、複雑な構造的多様性が見られるとともに、患者間や患者内でも多様性が大きいことが分かった。肝硬変のゲノムの全体像を肝細胞がん(HCC)と比較して調べたところ、非悪性肝臓細胞ではドライバー変異負荷が低い(約1〜5%)ことが分かった。さらに、正常な肝細胞における変異の約75%、硬変した肝細胞における変異の50〜75%を占める、主要な肝細胞シグネチャーが特定されるとともに、HCCでより活性の高いシグネチャーも明らかになった。

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