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遺伝学:ヒトの健康な肝臓と硬変した肝臓における体細胞変異とクローン動態

Nature 574, 7779 doi: 10.1038/s41586-019-1670-9

慢性肝疾患の最も一般的な原因は、過剰なアルコール摂取、ウイルス性肝炎、非アルコール性脂肪肝疾患であり、臨床所見の重症度は、肝炎から肝硬変、肝不全、肝細胞がん(HCC)にまで及ぶ。HCCのゲノムはさまざまな変異シグネチャーを示し、その結果、30を超えるがん遺伝子に頻発性変異が生じている。正常な肝臓由来の幹細胞は変異負荷が低く、変異シグネチャーの多様性が限られていることから、HCCの複雑性は、慢性肝疾患への進行や、その後の悪性形質転換の過程で生じることが示唆される。今回我々は、5例の正常な肝臓と9例の硬変した肝臓に由来する、マイクロダイセクション法によって得た100〜500個の肝細胞からなる482個の試料の全ゲノム塩基配列解読を行い、硬変した肝臓は正常な肝臓よりも変異負荷が高いことを示す。染色体粉砕などの構造バリアントは、正常な肝細胞ではまれだが、肝硬変では顕著に見られた。点変異や構造バリアントなどのドライバー変異は、クローンの1〜5%に見られた。肝硬変ではクローン増殖が直径数ミリメートルに及び、このようなクローンは再生結節を取り囲む繊維帯によって隔離されていた。いくつかの変異シグネチャーは普遍的に見られ、非悪性肝細胞とHCCの両方で同様の活性があった。慢性肝疾患よりもHCCで活性がかなり高いシグネチャーもあれば、外来物への曝露から生じたものなど、一部の患者のみに見られるシグネチャーもあった。隣接する肝硬変結節間の外因性シグネチャーの活性は、各患者内で最大10倍の差があり、これはクローン特異的な力や微小環境の力の結果であった。同時期性HCCは、背景となる硬変した肝臓と同じ変異シグネチャーを示したが、変異負荷がより高かった。体細胞変異は、肝臓組織が健康な状態から病的状態へと進行する際の、曝露、毒性、再生、クローン構造を記録している。

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