2012年4月号Volume 9 Number 4

ケプラー望遠鏡が星の震動を観測

ケプラー宇宙望遠鏡の活躍はめざましく、とうとう、地球とほぼ同じ大きさの惑星を突き止めた(Nature 2月12日号)。ところが、このケプラー望遠鏡は、たまたま、恒星の振動(星震)をうまく観測できる条件を備えており、この幸運を利用して、はるか彼方の恒星の内部が、詳しくわかってきた。まず、星震データから、恒星の質量が、天体物理学の予想よりかなり低めであることが明らかになった。さらに、赤色巨星の観測により、水素がどこまで燃え尽きているのか、その進化段階を明確に把握することにも成功した。

Editorials

南極を平和と協調の地として維持したいなら、研究者は、科学と南極点のつながりをさらに強固なものとする必要がある。

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Research Highlights

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News

小児期から老年期までの認知機能の安定性を追跡した研究から、認知機能に与える遺伝的影響の程度が明らかに。

宇宙の銀河を観測すると、ダークエネルギーがあって宇宙膨張を加速させているように見えるが、宇宙の長い歴史において、ダークエネルギーが一定だったかどうかは不明だ。それを探る研究が始まった。

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News Features

NASAのケプラー宇宙望遠鏡がもたらすデータは、太陽系外惑星の探索だけでなく、星震学にも革命を起こそうとしている。赤色巨星の進化段階さえ区別できるのだ。

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Comments

H5N1鳥インフルエンザ研究をめぐり、議論が巻き起こっている。インフルエンザ研究者、河岡義裕は、インフルエンザのパンデミック(世界的大流行)を防ごうとするなら、 哺乳類で伝播する鳥インフルエンザウイルスの研究を継続することが必要だと主張する。

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H5N1インフルエンザウイルスを哺乳類の間で感染できるよう適応させた研究に関する2本の論文に対し、米国のバイオセキュリティーに関する国家科学諮問委員会(NSABB)が、手順などいくつかの詳細な情報を差し控えて公表すべきだとする勧告を出した1。1つは、ウィスコンシン大学マディソン校(米国)および東京大学医科学研究所(東京都港区)に所属する河岡義裕の研究チームの論文で、赤血球凝集素(HA)の型の1つであるH5と、過去にパンデミックを起こしたヒトH1N1ウイルス由来の遺伝子群とを組み合わせたウイルスを作製したところ、ウイルスが哺乳類であるフェレットの間で飛沫感染するようになったことを示している2。もう1つは、エラスムス医療センター(オランダ・ロッテルダム)のRon Fouchierの研究チームの論文で、高病原性鳥インフルエンザH5N1ウイルスを哺乳類に感染できるようにする適応実験の結果を報告している3Natureは、NSABBの厳しい勧告に際して方針を決定するため、NSABBに、河岡チームの論文に関して今回の結論に至った理由の説明を求めた。これに対し、NSABBの委員長代理であるPaul S. Keimが同委員会の意見をまとめ、回答を寄せた。

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Japanese Author

長い染色体DNA分子の中ほどに「セントロメア」と呼ばれる場所があり、細胞分裂で重要な働きをしている。国立遺伝学研究所の深川竜郎教授は、DNA上でセントロメアがどのように機能するのか研究している。今回、ヒストンに似たタンパク質が、その機能構築の決定にかかわっていることを発見した。遺伝現象におけるヒストンコードの役割が近年注目されているが、ヒストン以外のタンパク質がかかわる新規のコードが存在しているのかもしれない。

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News & Views

綱渡りでは、バランスをとるために長い棒を使う。ジャンプするアガマトカゲも、空中で尾をバランス棒と同じように使っているらしい。それだけではない。恐竜の中にも、同じことをするものがいた可能性があるという。

レーザーの歴史が半世紀を超えた今、レーザー開発者たちの夢がまた1つ実現した。原子の状態遷移によるレーザーとしては従来よりもずっと高い、キロ電子ボルト領域の光子エネルギーを持つ、X線レーザーだ。

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News Scan

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