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DNA変異がなくても腫瘍は形成される
腫瘍の形成とがんへのプログレッションは、通常、永続的な遺伝的変異の蓄積によって引き起こされると考えられている。がんと結び付いている特定の遺伝的変異は、遺伝子発現プログラムを変化させることが多く、増殖、分化、代謝、生存など、多くの細胞機能の変化を促す1,2。しかし、Nature 2024年5月16日号688ページでは、モンペリエ大学(フランス)のVictoria Parrenoと同大学およびウィーンバイオセンター(オーストリア)のVincent Loubiereら3が、腫瘍は永続的な遺伝的変異のみから生じるという考えに異議を唱えている。彼女らは、キイロショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)を用いて、DNA配列を変化させずに遺伝子発現を調節する機構(エピジェネティックな調節として知られる過程)の一過性の喪失が、腫瘍のイニシエーションとプログレッションを支える遺伝子発現プログラムの確立に十分であることを実証している。
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翻訳:三谷祐貴子
Nature ダイジェスト Vol. 21 No. 8
DOI: 10.1038/ndigest.2024.240847
原文
Tumours form without genetic mutations- Nature (2024-05-16) | DOI: 10.1038/d41586-024-01019-2
- Anne-Kathrin Classen
- アルベルト・ルートヴィヒ大学フライブルク(ドイツ)に所属
参考文献
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