多くのがん種で変異を起こしているKRASというタンパク質は、薬剤の標的にすることができないと考えられてきた。だが最近、KRASを標的とする一連の新薬の開発が進み始めたことで、道のりは長いが患者の命を救えるかもしれないという希望が見えてきた。
KRASタンパク質は分子の表面が比較的平滑なため、それを標的とする薬剤の設計が難しかった。 Credit: ALAMY
Terri Conneranは米国ノースカロライナ州シャーロットに住む3児の母である。以前は経理の仕事をしていたが、2017年に肺がんと診断された。彼女は同じ境遇にある人たちにサポートを求めようと思った。がんに見られる変異の種類ごとに、いくつかの患者グループがソーシャルメディアを立ち上げていた。
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翻訳:藤山与一
Nature ダイジェスト Vol. 20 No. 1
DOI: 10.1038/ndigest.2023.230128