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人工タンパク質を生細胞で合成する回路でがん免疫療法をより安全に

Nature ダイジェスト Vol. 19 No. 9 | doi : 10.1038/ndigest.2022.220949

原文:Nature (2022-06-30) | doi: 10.1038/d41586-022-01528-y | Designer protein circuits enable safe cancer immunotherapy

Mohamad Hamieh & Maria Themeli

T細胞にカスタマイズ可能な人工受容体タンパク質を発現させて、柔軟な制御ができることが報告された。こうした人工タンパク質設計の枠組みが明確になったことで、がん免疫療法で利用できる可能性が高まった。

CAR-T細胞(左)に発現させる人工受容体タンパク質をカスタマイズする方法が報告された。CAR-T細胞が腫瘍以外の場所で活性化されるのを防ぐことができると期待される。 | 拡大する

Meletios Verras/iStock / Getty Images Plus/Getty

がんと闘う有望な治療法にCAR-T細胞療法がある。この治療法では、T細胞と呼ばれる免疫細胞を遺伝的に改変して、細胞表面に人工受容体タンパク質であるキメラ抗原受容体(CAR)を発現させる。CARタンパク質によって、細胞外の標的、つまり近傍の腫瘍細胞由来の抗原分子が認識されると、T細胞は細胞内の免疫カスケードを開始させて、抗原に対する免疫応答を発揮する。しかし、この新たな治療法を腫瘍に広く適用することには制限がある。真に腫瘍特異的な抗原が見つかっておらず、そのためにCAR-T細胞が健康な組織に望ましくない副作用を引き起こすことが多いからだ。CAR-T細胞が腫瘍以外の場所で活性化されるのを防ぐ人工タンパク質合成回路の設計により、有効性と安全性の折り合いをつけられる可能性がある。このほどカリフォルニア大学サンフランシスコ校およびパーカーがん免疫療法研究所(米国カリフォルニア州サンフランシスコ)のIowis Zhuら1は、こうした人工タンパク質系の1つを開発したことをCell 2022年4月14日号1431ページで報告している。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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