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菌類由来の代替タンパク質の環境的利益

Nature ダイジェスト Vol. 19 No. 8 | doi : 10.1038/ndigest.2022.220840

原文:Nature (2022-05-05) | doi: 10.1038/d41586-022-01125-z | Mycoprotein produced in cell culture has environmental benefits over beef

Hanna L. Tuomisto

牛肉の代わりに微生物由来の「マイコプロテイン」を食べるようになれば、環境への悪影響はどれだけ軽減されるのだろうか。今回、複数のシナリオを用いたモデル化研究によって、そうした転換が、森林伐採や二酸化炭素排出を大幅に削減できることが示された。

鶏胸肉に似せて作られたマイコプロテイン製品。 | 拡大する

BARTOSZ LUCZAK/ISTOCK/GETTY

畜産、特にウシなどの反芻動物の肉の生産はこの数十年で急増し、それに伴って、森林伐採、温室効果ガス排出、水利用、富栄養化など、環境への悪影響が大きな問題となっている。その対策として、反芻動物の肉に代わる「代替肉」が盛んに開発されており、そうした代替肉には、植物を加工したものの他、動植物や微生物の細胞を工業規模で培養して生産されるものがある。これらの代替肉が、単位質量当たりの環境フットプリントを低下させ得ることは以前の研究で示されているが1、代替肉への転換がもたらす効果の地球規模のアセスメントの比較は、これまで行われていなかった。気候変動ポツダム研究所(ドイツ)のFlorian Humpenöderら2はこのたび、牛肉を菌類由来の微生物タンパク質「マイコプロテイン」で置き換えることにより得られる環境的利益を初めて地球規模で分析し、その結果をNature 2022年5月5日号90ページで報告した。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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