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尿のリサイクルが世界を救う

下水から尿を分離することで、難しい環境問題のいくつかが緩和され、持続可能な形で肥料を供給することができると期待されている。しかし、生活の最も基本的な側面の1つを根本的に作り替えるには大きな障害がある。

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MAK/GEORG MAYER/EOOS NEXT

Nature ダイジェスト Vol. 19 No. 4 | doi : 10.1038/ndigest.2022.220429

原文:Nature (2022-02-10) | doi: 10.1038/d41586-022-00338-6 | The urine revolution: how recycling pee could help to save the world

Chelsea Wald

スウェーデン最大の島であるゴットランド島の島民たちは、真水の少なさと闘ってきた。その一方で、農業や下水システムから排出される危険な量の汚染物質によって、島を囲むバルト海に有害な藻類ブルーム(水の華)が発生するという問題も突き付けられている。藻類ブルームが発生すると、魚が死んだり、人が病気になったりすることがある。

2つの環境問題をまとめて解決するため、島では、両者の間に橋を架ける1つの「意外な物質」に期待が寄せられている。それは、人間の尿だ。

2021年、スウェーデン農業科学大学(SLU;ウプサラ)の研究チームが、ゴットランド島で仮設トイレのレンタル事業を展開する企業と組んで共同研究を始めた。目標は、夏の観光シーズンに島内の数カ所に設置した水なし小便器や専用トイレから、3年間で7万L以上の尿を集めることだ。研究チームはSanitation360という企業を設立し、自分たちが開発したプロセスで尿を乾燥させてコンクリートのような塊とし、それを叩き割って粉末にし、標準的な農業機械に合う形に押し固めて肥料ペレットを作っている。地元の農家がこの肥料を使って大麦を栽培し、実った大麦は醸造所でビールになる。消費されたビールは再びこのサイクルに入るというわけだ。

SLUの化学プロセス工学者でSanitation360社の最高技術責任者であるPrithvi Simhaは、研究者たちは、尿の再利用を「概念を超えて大規模に実践」することを目標に掲げ、世界中の地域が追随できるようなモデルを提供したいと説明する。「どんな人でも、どんな場所でも、これを実践できるようにしたいのです」とSimhaは語る。

ゴットランド島のプロジェクトは、下水から尿を分離し、肥料などの製品にリサイクルする方法を模索する世界的な動きの1例だ。大便と尿を分ける「屎尿(しにょう)分離」は、米国をはじめオーストラリアやスイス、エチオピア、南アフリカ共和国などで研究されている。その取り組みは、大学の研究室の枠をはるかに超えている。米国オレゴン州やオランダのオフィスでは、水なし小便器を地下の処理システムに接続している。また、パリ14区では1000人が暮らすエコ地区を建設中だが、ここに屎尿分離トイレを設置する計画がある。欧州宇宙機関(ESA)はパリ本部に80台の屎尿分離トイレを設置する予定で、年内に運用を開始することになっている。屎尿分離の推進派によれば、こうしたトイレは、軍隊の前哨基地から難民キャンプまで、また、豊かな都心から広大なスラムまで、さまざまな場所で利用できる可能性があるという。

科学者たちは、世界中で大規模に屎尿分離を実践できれば、環境と公衆衛生に大きな利益をもたらすだろうと言う。理由の1つは、尿には栄養素が豊富に含まれているため、下水から尿を分離できれば、水域を汚染する代わりに、作物の肥料にしたり製品の製造に利用したりすることができるからだ。Simhaの試算によると、全世界の人間が排泄する尿には、現在使われている窒素肥料とリン酸肥料の約4分の1に相当する量の窒素とリンのほか、カリウムや多くの微量栄養素も含まれている。さらに、尿を下水に流さないようにすれば、大量の水を節約できるだけでなく、老朽化し、過剰な負荷が掛かっている下水システムの負担を軽減することもできる。

この分野の専門家は、トイレや尿の処理方法の進歩により、屎尿分離の多くの要素が、そう遠くないうちに普及を目指せる段階に到達するとみている。しかし、生活の最も基本的な部分の1つを根本から再構築するには、大きな障害もある。研究者や企業は、屎尿分離トイレのデザインの改良から、尿を処理して価値ある製品にするプロセスを容易にすることまで、多くの問題を解決しなければならない。具体的には、個々のトイレに接続された化学処理システムやビル全体から出る尿を処理する地下施設、そして、濃縮または固化された尿の回収とシステムのメンテナンスを行うサービスなどである。より大きな問題としては、人間の排泄物を巡るさまざまなレベルの文化的タブーと、産業排水やフードシステムに深く根付いた慣習の両方について、社会の変化と受容が必要である。

実際のところ、尿は価値ある資源なのです。

ミネアポリス(米国ミネソタ州)在住の持続可能性コンサルタントで、水環境連盟(水質専門家の国際的な団体;米国バージニア州アレクサンドリア)の前会長である生物学者Lynn Broaddusは、農業や工業のためのエネルギーや水、および原材料の不足に社会が苦戦している今、「人間の衛生を保つ仕組みを根本から考え直すこと」の必要性が今後もますます高まっていき、屎尿分離と尿の再利用はそうした試みの1つであると説明する。「実際のところ、尿は価値ある資源なのです」。

新しいタイプのトイレ

かつて尿は価値ある日用品で、一部の社会では、農作物の肥料、皮なめし、衣類の洗濯、火薬の製造などに利用されていた。しかし、19世紀末から20世紀初頭にかけて、英国で下水の集中管理という近代的なモデルが生まれて世界中に広がると、尿に対するネガティブな印象がその再利用を阻む「urine blindness(尿の無知)」と呼ばれる状況を招いてしまった。

下水の集中管理モデルでは、水洗トイレの水を使って尿と便とトイレットペーパーを素早く下水道に送り込み、その他の家庭排水や産業排水、時には雨水と混ぜ合わせる。集中処理場では、微生物を利用したエネルギー集約型のプロセスで下水をきれいにする。

地域の規制や下水処理場の状態にもよるが、このプロセスから出る排水にはまだ窒素などの栄養素が多く含まれているほか、他の汚染物質も含まれている。そして、世界人口の57%は集中下水システムに接続されていない。

科学者たちは集中下水システムの持続可能性を高め、汚染性を低くする方法を研究しているが、もっと根本的な変化を模索する動きが1990年代にスウェーデンから始まっている。ミシガン大学アナーバー校(米国)の環境工学者であるNancy Loveは、物質の排出を抑制する「エンド・オブ・パイプ(end-of-pipe;廃棄物排出工程の最後に汚染防除策を施す公害対策手法)」技術の進歩は本質を変えることができないのに対し、屎尿分離は社会を変えると言う。Loveらは、米国の3つの州の排水管理システムをモデル化した研究1において、尿を分離して回収した栄養素を合成肥料の代わりに使用する仮説上のシステムと、従来の排水システムを比較検討した。その結果、使用する技術にもよるが、屎尿分離を実践するコミュニティーでは、温室効果ガスの総排出量を最大47%、エネルギー消費量を41%、淡水使用量を約半分、排水に含まれる栄養素による汚染を64%削減できると予想された。

しかし、このコンセプトは現状ではニッチのままで、北欧のエコビレッジや、農村の離れ家、低所得者のための開発プロジェクトなど、送電網につながっていない地域に限定されている。

スイス連邦水圏科学技術研究所(EAWAG;デューベンドルフ)の化学工学者Tove Larsenは、「普及が遅れている原因の多くは、トイレそのものにあります」と指摘する。1990年代から2000年代にかけて初めて販売された屎尿分離トイレのほとんどは、尿を回収するための小さな受け口が手前にあるが、そこに尿を入れるには注意深く狙いを定めて放尿する必要がある。その他、足でベルトコンベアを動かして尿を流れ落としながら大便をコンポスト室に移動させる方式のものや、センサーで弁を操作して尿を別の排出口に向かわせる方式のものがある。

しかしLarsenによると、欧州で実施されたパイロットプロジェクトや実証プロジェクトでは、屎尿分離トイレは、使いにくい、臭い、信頼性がないなどの理由で人々に受け入れられなかったという。「この点については本当に行き詰まっています」。

2000年代に南アフリカ共和国のエテクウィニ都市圏で実施されたプロジェクトで、屎尿分離トイレが初めて大規模に導入された際にも、同様の問題が生じた。クワズール・ナタール大学(南アフリカ共和国ダーバン)で衛生管理を研究しているAnthony Odiliは、このプロジェクトの背景を、「アパルトヘイトが撤廃されたことで自治体の境界が急激に拡大しました。その結果、水道もトイレのインフラもほとんどない貧しい農村部についても、当局が責任を負うことになったのです」と説明する。

2000年8月にエテクウィニでコレラが大流行した後、当局は、乾式屎尿分離トイレを8万台設置するなど、財政的・実用的な制約がある中、数種類の衛生設備を迅速に導入し、そのほとんどが現在も使用されている。尿はトイレの下の地中に送られ、大便は大便室に落ちるが、2016年以降、自治体は5年ごとに大便室を空にすることにしている。

このプロジェクトは、エテクウィニ都市圏に安全な衛生設備を確立したとOdiliは言う。しかし、社会科学的調査から、このプログラムには多くの問題点があることが明らかになっている。人々は「トイレがないよりはまし」と感じているようだが、彼自身が関わった研究2も含めて、利用者は一般に、このトイレを嫌っていることが分かったという。多くのトイレが粗悪な材料で作られており、使いづらかった。理屈の上では、こうしたトイレでは悪臭は出ないはずだが、エテクウィニのトイレではしばしば尿が大便室に入ってしまい、ひどい悪臭を放っている。利用者は「まともに息もできないほどです」とOdiliは言う。しかも、その尿はほとんど活用されていないのだ。

結局のところ、主に公衆衛生上の懸念から導入された乾式屎尿分離トイレはトップダウン式に選定されたもので、人々の好みを考慮していなかったとOdiliは言う。2017年の研究3では、エテクウィニの回答者の95%以上が、都会の裕福な白人が使っている便利で無臭の水洗トイレを希望しており、多くの人が、状況が許せば水洗トイレを設置したいと考えていることが分かった。南アフリカ共和国では、トイレは長らく人種間格差の象徴とされている。

そんな中、屎尿分離に画期的な進歩をもたらすかもしれない新しいデザインのトイレが開発された。2017年、デザイナーのHarald Gründl が率いるオーストリアのデザイン会社EOOSが、Larsenらと共同で開発したトイレ「Urine Trap」を発表したのだ(その後、EOOS社のトイレ部門はEOOS Next社として独立した)。このトイレは、利用者が狙いを定めて放尿する必要がなく、屎尿分離機構はほとんど見えない。

EOOS社のトイレは、液体が表面を伝う性質(ティーポットなどの注ぎ口からお茶が伝い落ちてテーブルを濡らす厄介な現象にちなんで「ティーポット効果」と呼ばれる)を利用して、トイレの手前内側にある別の穴に尿を誘導する(「尿をリサイクルする方法」参照)。低所得者向けトイレの革新に関する広範な研究を支援するビル&メリンダ・ゲイツ財団(米国ワシントン州シアトル)の資金援助を受けて開発されたこの機構は、セラミック製台座付きの高級モデルからプラスチック製の和式トイレまで、あらゆる形のトイレに組み込むことができる。スイスに本社を置くLAUFEN社は、既に欧州市場向けの「save!」というトイレを製造していたが、多くの消費者にとっては高価過ぎるトイレであった。

「尿をリサイクルする方法」PDF

クワズール・ナタール大学とエテクウィニ都市圏も、尿を分離して固形物を水で流すバージョンのUrine Trapトイレの試験を始めている。今回の研究は、利用者によりフォーカスしたものになっている。新しい屎尿分離トイレは悪臭もせず使いやすいことから、Odiliは「人々に気に入ってもらえるだろう」と楽観的だ。ただ、このトイレでは男性も座って排尿する必要があるため、大きな文化的変化になると指摘する。それでも、「高収入で、こことは違う層の人々が住む地域でも同じトイレが採用され、受け入れられるなら、本当に普及の助けになります」と彼は言う。「私たちは、開発されるトイレが『黒人専用トイレ』や『貧乏人専用トイレ』になっていないか、常に意識してものを見なければならないのです」。

尿の用途

尿それ自体は、栄養素に富む素晴らしい資源なのだ。 | 拡大する

someone25/iStock/Getty Images Plus/Getty

尿を分離することは、衛生化の第一歩にすぎない。次は、それをどう利用するかだ。農村部では、尿をタンクに貯蔵して病原菌を殺してから畑にまくことができる。世界保健機関(WHO)が、そのための指針を提供している。

厄介なのは都市部だ。尿の大部分は都市部で排出されている。尿を1カ所に集めるために、街中に追加の下水管を張り巡らせることは現実的ではない。また、尿の約95%は水であるため、保管や輸送にコストがかかり過ぎる。そこで研究者たちは、トイレか建物内で尿を乾燥・濃縮するなどの方法で栄養素を抽出し、水は保管・輸送しないで済む方法の開発に取り組んでいる。

とはいえ、これは容易ではないとLarsenは言う。工学的に見て、尿は「厄介な液体」だからである。尿に含まれる物質のうち、水の次に多く含まれているのは尿素である。尿素は窒素を多く含む化合物で、体内でタンパク質が代謝される際に副産物として生成する。尿素自体は有用な物質であり、合成された尿素はおなじみの窒素肥料となる。困るのは、尿素が水と結合すると、加水分解によってアンモニアが発生し、尿にあの独特の臭いを与えることだ。アンモニアは、閉じ込めておかないと悪臭を放ち、空気を汚染するばかりではない。価値ある窒素を空気中へと運び去ってしまう。尿素の加水分解反応を触媒するのは、ウレアーゼという、どこにでもある酵素だ。この反応はマイクロ秒単位で進むため、ウレアーゼは既知の酵素の中で最も効率の良いものの1つとされている4

尿の加水分解の問題に対しては、反応を進行させるアプローチと、阻止するアプローチがある。EAWAGの研究者たちは前者のアプローチをとり、加水分解された尿を濃縮栄養液にする先進的なプロセスを開発した。まずはタンクの中の微生物の働きにより、揮発性のアンモニアを不揮発性の硝酸アンモニウムに変える。硝酸アンモニウムは一般的な肥料である。その後、蒸留器で液体を濃縮する。EAWAGから独立したVuna社(スイス・デューベンドルフ)は、建物内で使用するシステムと生成物の両方の商品化に取り組んでいる。生成物はAurinと名付けられ、スイスでは世界で初めて、食用植物への使用を認可された。

もう1つのアプローチでは、体外に排出される際に通常は中性である尿のpHを素早く上げたり下げたりすることで、加水分解反応を止めることを目指す。Loveと非営利団体リッチ・アース研究所(Rich Earth Institute;米国バーモント州ブラトルボロ)は、ミシガン大学のキャンパスで、屎尿分離トイレと水なし小便器のパイプに液体クエン酸を流し込む、ビル用システムを共同で開発中だ。このシステムでは、凍結と融解を繰り返すことで尿を濃縮していく5

一方、環境工学者Björn Vinneråsの主導によりゴットランド島でプロジェクトを進めるSLUのチームは、尿を乾燥させて、固体尿素と他の栄養素が混合したものにする方法を開発した。最新の試作品は乾燥機を内蔵したトイレだ。彼らは現在、スウェーデンのマルメにある公共上下水道会社VA SYDの本社で、このトイレを評価中である。

尿に含まれる個々の栄養素を対象とするアプローチもある。Loveの研究室の元ポスドクで、現在はスタンフォード大学(米国カリフォルニア州)に所属している化学工学者のWilliam Tarpehは、尿に含まれるさまざまな栄養素は、既存の肥料や産業用化学製品のサプライチェーンに追加しやすいと説明する。

例えばリンは、加水分解した尿から回収する方法が既に確立されていて、マグネシウムを加えてストルバイトと呼ばれるリン酸塩鉱物にして析出させる。ストルバイトは肥料として利用されている物質だ。Tarpehは、ビーズ状の吸着剤を使って窒素をアンモニアの形で取り出したり6、リン酸塩の形でリンを取り出したりする実験を行っている。使用後のビーズに再生剤という液体を流すと、液体がビーズから栄養素を引き離し、ビーズは再び使えるようになる。これは高度な技術も特殊な加工も必要としない方法だが、市販の再生液には環境に有害という欠点がある。彼のチームは現在、より安価で環境に優しい再生液を作ろうとしている。

微生物燃料電池に尿を入れて電気を作る方法を開発している研究者もいる。南アフリカ共和国のケープタウンでは、別の研究チームが、尿と砂とウレアーゼを産生する細菌を組み合わせて型に入れて固め、これまでにないような建築用ブロックを作る方法を開発した。このブロックは焼成の必要がなく、どんな形にでも固めることができる。さらにESAでは、月面に居住施設を建設するための資源として宇宙飛行士の尿に注目している。

「尿の回収や排水の回収には大きな将来があります。それを考えると、できるだけ多くの製品を作れるようにしたいのです」とTarpehは言う。

尿を商品化するためのさまざまなアイデアに挑戦する研究者たちは、闘いの厳しさを感じている。中でも、従来のやり方に疑問を感じていない業界からの抵抗は大きい。肥料会社や食品会社、農家、トイレメーカー、規制当局などは、自分たちのやり方を大きく変えることに消極的だ。「彼らは惰性でやっている部分が多いのです」とSimhaは言う。

例えば、カリフォルニア大学バークレー校(米国)では、研究と教育のためにLAUFEN社のsave!トイレを設置したが、床下の貯蔵タンクへの排水管工事などを含めた工事に、3年近い時間と5万ドル(約580万円)以上の費用がかかり、これは予想を上回っていたという。現在はウェストバージニア大学(米国モーガンタウン)に所属している環境工学者のKevin Ornerは、これには、建築家への支払いや工事費、自治体の条例への対応などが含まれると言うが、話はこれだけで終わらなかった。Ornerによると、このトイレに適用できる条例や規制がないために、施設管理に支障を来しているという。そのため彼は、新しい条例を策定する委員会に参加している。

業界が動かない理由の1つに、顧客が抵抗感を持つのではないかという懸念があるのかもしれない。しかし、2021年に16カ国で行われた調査によると、フランス、中国、ウガンダなどでは、80%近くの人が、尿を原料とする肥料を使って生産された食品を「食べられる」と回答していた7

米国ニューヨーク市環境保護局の副局長として廃棄物処理局を率いるPam Elardoは、自分たちの事業の主要な目標は汚染のさらなる削減と資源の回収にあるため、屎尿分離などのイノベーションは歓迎すると言う。彼女は、ニューヨークのような都市で屎尿分離を行う最も実用的で費用対効果の高い方法は、改築や新築の建物にオフグリッド・システムを設置させ、メンテナンスと回収作業をサポートすることだろうと考えている。イノベーターがそれを実現できるのであれば、「やってみるべきです」と彼女は言う。

Larsenは、こうした技術革新の数々から、屎尿分離システムの大量生産と自動化が実現する日は近いと予想している。そうなれば、下水処理を変革する新規ビジネスも立ち上げやすくなるだろう。屎尿分離は「正しい技術です」と彼女は言う。「これは、家庭から出る栄養素の問題を合理的な時間で解決できる唯一の技術です。必要なのは大胆さです」。

(翻訳:三枝小夜子)

Chelsea Waldは、オランダのハーグ在住のフリーランスの記者。 『Pipe Dreams: The Urgent Global Quest to Transform the Toilet(パイプ・ドリームズ:トイレを変える世界の緊急課題)』の著者。

参考文献

  1. Hilton, S. P., Keoleian, G. A., Daigger, G. T., Zhou, B. & Love, N. G. Environ. Sci. Technol. 55, 593–603 (2021).
  2. Sutherland, C. et al. Perceptions on Emptying of Urine Diverting Dehydration Toilets. Phase 2: Post eThekwini Municipality UDDT Emptying Programme (Univ. KwaZulu-Natal, 2018).
  3. Mkhize, N., Taylor, M., Udert, K. M., Gounden, T. G. & Buckley, C. A. J. Water Sanit. Hyg. Dev. 7, 111–120 (2017).
  4. Mazzei, L., Cianci, M., Benini, S. & Ciurli, S. Angew. Chem. Int. Edn Engl. 58, 7415–7419 (2019).
  5. Noe-Hays, A., Homeyer, R. J., Davis, A. P. & Love, N. G. ACS EST Engg. https://doi.org/10.1021/acsestengg.1c00271 (2021).
  6. Clark, B. & Tarpeh, W. A. Chem. Eur. J. 26, 10099–10112 (2020).
  7. Simha, P. et al. Sci. Total Environ. 765, 144438 (2021).

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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