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鳥類の磁気受容の謎の解明に向けて大きく前進

Nature ダイジェスト Vol. 18 No. 9 | doi : 10.1038/ndigest.2021.210934

原文:Nature (2021-06-24) | doi: 10.1038/d41586-021-01596-6 | Unravelling the enigma of bird magnetoreception

Eric J. Warrant

動物が地球の磁場を感知する仕組みは、今なお謎に包まれている。今回、渡り鳥のヨーロッパコマドリの網膜に存在する クリプトクロムタンパク質のErCRY4に、探し求められてきた磁気センサーとしての物理的特性が見いだされた。

ヨーロッパコマドリ(Erithacus rubecula)。 | 拡大する

MikeLane45/iStock/Getty

感覚生物学における最大の謎は、磁気受容であると言っても過言ではない。動物は一体どのようにして地球の磁場を感知し、それをコンパスとして用いて空間定位を行うのか。鳥類をはじめ、爬虫類や魚類、甲殻類、昆虫類など、実にさまざまな動物が磁場を頼りに短距離および長距離のナビゲーションを行っているが1、磁場の方向を感知する生体組織の正体や、こうしたナビゲーションを支える感知機構はいまだ謎に包まれている。渡り鳥では、網膜に存在する光受容タンパク質のクリプトクロムが、磁気受容のカギを握る有力候補とされている2。しかし、クリプトクロムが実際に、微弱な地球磁場を感知するのに必要な磁気感受性と物理的特性を持つことを示す証拠は不足していた。今回、カール・フォン・オシエツキー大学オルデンブルク(ドイツ)のJingjing Xuら3は、まさにこうした証拠をin vitroで見いだし、Nature 2021年6月24日号535ページで報告した。これは、動物の磁気受容の謎の解明にあと一歩のところまで来たことを意味する。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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