Where I Work

Cristina Cuiabália Neves

Nature ダイジェスト Vol. 18 No. 5 | doi : 10.1038/ndigest.2021.210556

原文:Nature (2020-10-13) | doi: 10.1038/d41586-020-02859-4 | Fighting fires to save a natural preserve in Brazil

Patricia Maia Noronha

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Nature by MARIA MAGDALENA ARÉLLAGA

セスキ(SESC)・パンタナールは、ブラジルのマトグロッソ州にある広さ10万8000ヘクタールの民間自然遺産保護区で、南米大陸中央部の大湿原パンタナールの中にあります(セスキは、ブラジル商業連盟が運営する社会サービス)。6〜10月の乾季には火災が最大の問題になります。2020年は、乾季の最初の3カ月間で50%以上の区域が火災の被害を受け、特に乾燥した地域は丸焼けになってしまいました。過去20年間で最悪の被害でした。

写真は2020年8月に撮ったもので、給水車に乗って消防隊を率いているところです。乾季には私たち管理スタッフだけでなく消防士も働いています。オートバイ、トラクター、ボート、飛行機を使い、1000km2以上ある保護区の全ての草原や湖や入江や川を監視しています。

ここには、ジャガー、ヌマジカ、オオアリクイなどの12種の絶滅危惧種をはじめとする700種前後の動物が生息しています。その多くが火傷をしたり焼死したりしています。2020年は俊足のジャガーまで火傷をし、今は施設で療養しています。

私は州都のクイアバ市で生まれました。母がマトグロッソ連邦大学で地理学を教えていたので、よくパンタナールに遊びに連れていってもらいました。広大な湿地と草原は、私の家族のようなものです。パンタナールの生物多様性に対する主な脅威となっている漁業や狩猟、麻薬取引、火災を制御する方法を研究したいと思い、2014年にサンパウロ大学で博士号を取得しました。

セスキ・パンタナールは1998年の設立以来65の研究プロジェクトを支援し、ここに生息する動植物の理解に役立ててきました。主な目標が保全にあることは変わりありませんが、近年は地域社会や見学者の教育にも力を入れています。火災のほとんどは、保護区の外で放牧地を広げようとして人々が森を焼いたことがきっかけです。農業や牧畜が盛んなブラジルに住む私たちは、土地への負荷を減らし、火災による被害を減らすための持続可能な方法を見つけなければなりません。

(翻訳:三枝小夜子)

Cristina Cuiabália Neves は、 セスキ・パンタナール(ブラジル・マトグロッソ)のマネジャー、生物学者。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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