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Marleen Martinez Sundgaard

Nature ダイジェスト Vol. 17 No. 8 | doi : 10.1038/ndigest.2020.200852

原文:Nature (2020-03-04) | doi: 10.1038/d41586-020-00595-3 | Marleen Martinez Sundgaard

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Rocco Ceselin

NASAのエンジニアとして、私は最高にクールな仕事をしています。「砂場」でロボット遊びをしているのです。火星にある着陸船やローバーが何かをする前には必ず、地球上の砂場で試験します。砂場には砕いたガーネットを敷き詰めてあります。試験には埃が立たない空間が必要ですが、ガーネットは非常に硬く、埃が出ないのです。火星に降り注ぐ太陽光を模した明るい照明を使っているので、ここで撮る写真は、赤い惑星で撮影するものとよく似ています。

数年前から、火星の内部構造を調べる国際ミッション「インサイト(InSight)」に携わっています。火星にはテクトニックプレートがないと考えられており、着陸機が掘る表面の組成は100万年前と同じです。

インサイトは2018年5月5日に打ち上げられましたが、私たちはその前に、後ろに見える実物大の模型を使って約1年かけて試験を行いました。着陸機が地表に対してどんな角度で着陸しても全機器が使えることを確認する必要があったのです。考えられる全ての角度で試験を行いました。2018年11月26日、インサイトはわずか2度の傾きで完璧な着陸を成し遂げました。

インサイトに搭載した機器を展開するプロセスのトラブルシューティングを行う必要があったので、砂場を着陸地点そっくりにしました。テラフォーミングならぬマーズフォーミングです。その際、着陸船が火星で撮影した写真を基にしたデジタル地図を搭載した拡張現実ヘッドセットを使用しました。ヘッドセットを装着して足元を見て、自分は火星に立っているのだと思ったら、涙がこみ上げてきました。

着陸船の「モグラ」という愛称の熱流量プローブは、地表から5mの深さまで打ち込む予定ですが、思ったほど進んでいません。そこで、着陸船の模型をブロックの上に載せて高くし、砂場のガーネットをもう1箱分追加して、狭くて深いスペースを作りました。写真は、予備の熱流量プローブを使い、地中にもぐらせる方法を試験しているところです。

5歳の時、火星を歩く最初の宇宙飛行士になりたいと思いました。2008年からずっと宇宙飛行士に応募し続けています。今は、宇宙飛行士の次にやりたい仕事をしています。

(翻訳:三枝小夜子)

Marleen Martinez Sundgaardは NASAジェット推進研究所の「インサイト」 および「プシケ」ミッション 主任システム・テストベッド・エンジニア

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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