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結核ワクチンの効果的な接種経路は?

Nature ダイジェスト Vol. 17 No. 4 | doi : 10.1038/ndigest.2020.200431

原文:Nature (2020-01-02) | doi: 10.1038/d41586-019-03597-y | Tuberculosis vaccine finds an improved route

Samuel M. Behar & Chris Sassetti

結核の予防に広く使われているワクチンは、通常は皮内接種されているが、静脈内接種することで効果が大きく改善され、ほぼ完全に結核を予防できることが分かった。

ほぼ1世紀前から使われているこのワクチンは、通常は皮内接種されている。このたびDarrahら1はサルを用いた実験で、静脈内接種すると効果が大きく改善されるという結果を得た。 | 拡大する

FPG/Archive Photos/Getty

結核は人類にとって最も重大な感染症であり、2018年だけで150万人が死亡している(go.nature.com/2kbuiq)。原因菌である結核菌(Mycobacterium tuberculosis)に有効なワクチンの接種が、この疾患を制御するための最も効果的な方法であることは広く受け入れられている。しかし、ワクチン接種によって誘発される免疫応答に耐性を示す結核菌がしばしば見られる。そのため、従来のワクチンで結核に対する殺菌免疫を付与することが果たして可能なのかどうか、という疑問が提起されていた。殺菌免疫とは、ワクチン接種によって付与される理想的な免疫状態のことで、多くの場合、有効な感染が成立する前に病原体を完全に排除し、疾患を予防できる。このほど、この疑問に対する明快な答えを、国立アレルギー・感染症研究所(米国メリーランド州ベセスダ)のPatricia A. Darrahら1Nature 2020年1月2日号95ページで報告している。100年前から使われているこのワクチンの接種経路を変えるだけで、結核菌の感染をほぼ完全に予防できることを実証したのだ。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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