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細菌の外膜を標的とする新しい抗生物質

Nature ダイジェスト Vol. 17 No. 3 | doi : 10.1038/ndigest.2020.200342

原文:Nature (2019-12-19) | doi: 10.1038/d41586-019-03730-x | New antibiotics target the outer membrane of bacteria

Marcelo C. Sousa

グラム陰性細菌がグラム陽性細菌に比べて抗生物質に対して抵抗性を示すのは、外膜と内膜という二重の膜によって守られているからだと考えられている。実際に、いくつかのグラム陰性細菌は抗生物質による治療が困難だ。今回この障壁を克服できる複数の化合物が作り出された。これらの化合物はおそらく、外膜の重要なタンパク質を標的としている。

多剤耐性グラム陰性菌として問題になっている緑膿菌。 | 拡大する

Callista Images/Image Source/Getty

抗生物質抵抗性は世界的に大きな公衆衛生問題になっている1。特に、グラム陰性細菌と呼ばれる細菌群に感染した場合は治療が難しい。グラム陰性細菌細胞を守る二重の細胞膜が、抗生物質の侵入を阻む手強い障壁となっているからだ2。また、グラム陰性細菌は抗生物質が細胞膜を透過すると、排出ポンプを用いて薬剤を除去することが多い3,4。このほど、グラム陰性細菌の外膜に不可欠なタンパク質を直接あるいは間接的に標的とすることで障壁を克服する抗生物質が特定され、3つの論文で報告された(Nature に2報5,6およびProceedings of the National Academy of Sciences USA に1報7)。

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Nature ダイジェスト Online edition: ISSN 2424-0702 Print edition: ISSN 2189-7778

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